
給食現場では、多くの場合限られた時間で大量の調理をしなければなりません。また、栄養価のバランスや、食べる人のニーズを満たす献立を立てなければならない栄養士の負担も大きいです。そのため、業務効率化やシステムの導入は、スタッフの負担の軽減のために欠かせません。本記事では、そのような給食現場の効率化の具体案を5つ紹介します。
献立の整理
給食現場の効率化に向けた第一歩として、献立の整理が重要です。とくに、調理時間と手数(工程数)の2つの基準に注目することが求められます。この基準を用いることで、現在のメニューの特徴を新たな視点から分析できます。
具体的には、調理に時間や手間がかかるが人気のあるメニューや、逆に手軽で人気が薄いメニューの把握です。この情報を基に、主力メニューを選定し、全体の調理時間と手数のバランスを確認することで、効率的な献立を組むことが可能になります。
とくに、ピーク時間が明確な社員食堂などの現場では、メニューの見直しが効率化のカギを握ることが多いです。したがって、まずは現行のメニューを整理し、無駄を減らしていくことが成功への道となります。
作業導線の見直し
給食現場の効率化を図るためには、作業動線の見直しが不可欠です。多くの現場では、衛生管理の観点から作業動線図を作成しているものの、想定通りの動きができていない場合があります。
そこで、とくに忙しい時間帯のスタッフ全員の動きを把握することが重要です。具体的には、各スタッフがどの位置で何をしているかを調理場の見取り図に記入し、日常の動きを再現して、ぶつかり合いや不便な点がないかを確認します。こういった小さな改善が積み重なることで、全体の作業効率が向上します。
また、手が空いている時間帯に備品を補充するなど時間ごとの作業を明確にすることで、忙しい時間帯における動線の乱れを防ぐことが可能です。
個包装食材の活用
給食現場の効率化を図るためには、個包装の食材を活用することが非常に有効です。個別に包装されたパンなどの食材を取り入れることで、調理にかかる手間を大幅に削減できます。
とくに、常温保存が可能な食材であれば、提供のタイミングを選ばず美味しさを保てるため、保存時間に関する制約も軽減されます。また、衛生面でも個包装は安心です。納品された箱からトレーに移すだけで配膳ができ、衛生管理の知識が不十分なスタッフでも安全に取り扱えるため、リスクを減らすことが可能です。
また、個包装を使うことで、食事後の後片付けも簡素化されるメリットがあります。たとえば、主食として個包装のパンを使用する場合、通常必要なごはんの炊飯器や茶碗の後片付けが不要になり、片付け業務が大幅に軽減可能です。
AIやシステムの活用
給食現場の効率化において、AIやシステムの導入は非常に効果的な手段です。AIは自ら学習する能力を持ち、最近では献立の立案に活用されることが増えています。実際にAIシステムを導入した企業では、栄養士の負担が軽減され、よりスムーズに献立を作成できるようになった事例があります。
また、IoT技術を導入することでモノとインターネットを接続し、これまで活用されていなかったデータの分析が可能になります。給食現場では、調理室の天井に専用機器を設置することで作業時間や移動動線を可視化し、効率化の問題点を明確にすることが可能です。
このようなシステムの導入により、現場での作業効率を高めるための具体的な課題が見えてくるでしょう。
さらに、手書きの事務作業を軽減するためのデジタルシステムも開発されています。給食現場においてもデジタル機器を活用することで、効率的な業務運営が実現しやすくなるでしょう。こうした技術の活用は、業務の効率化を促進し、全体の生産性を向上させることに寄与します。
クックチルの活用
クックチルは、加熱調理した料理を急速に冷却し、各施設のタイミングで再加熱して提供する調理方式です。この方法を採用することで、大量調理の現場において下ごしらえの際に必要な人員を分散できます。これにより、スタッフの負担を軽減し、作業の効率化が期待できます。また、クックチルは調理者による味のばらつきを抑えることが可能です。
これにより、常に品質の高いメニューを提供しやすくなる利点もあります。従来の調理法では、加熱調理後2時間以内に料理を提供する必要があるのに対し、クックチルを利用すると急速冷却が可能で、製造日を含む5日間の保存が実現します。
この特性により、ピーク時間前に調理した料理をストックしておくことが可能です。さらに、クックチルは衛生面においても高い安全性を誇ります。食品の加熱や冷却時間、温度を細かく設定することで、食中毒のリスクを防ぐことが可能です。このことから、衛生管理が課題の事業者にとっても非常に有用です。
まとめ
給食現場の効率化には、5つの具体的なアプローチが効果的です。まず、献立の整理を行うことで、調理時間と手数を最適化し、無駄を省くことが可能になります。次に、作業動線の見直しを通じて、スタッフの動きを把握し、作業効率を向上させます。個包装の食材を利用することで、調理の手間を削減し、衛生管理も強化可能です。さらに、AIやIoT技術を導入することで、データ分析や業務の可視化が実現し、効率的な運営が可能になります。最後に、クックチルを活用すれば、調理のストックが可能となり、食品の衛生管理も強化されます。これらの手法を組み合わせることで、より効率的で安全な運営を実現しましょう。

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